ネットワークビジネスってそもそもどんなものなの?
パソコン使う系?
よく間違えるやつだね(笑)
ネットワークビジネスは、商品を流通させるためのひとつの販売方法(マーケティング)だよ。歴史を含めて、勉強していこう。
ネットワークビジネス(MLM)とは?
ネットワークビジネスとは、日本では特定商取引法で規定される「連鎖販売取引」という、商業取引の一つになります。
その仕組み上、よくねずみ講と間違われたりするものですが、正しいものはれっきとした商業手法です。
これについては詳しくはこちらを → ネットワークビジネスは違法なの?
なお、ネットワークビジネスという言葉自体は和製英語であり、MLM(マルチレベルマーケティング)が正式名称になります。
ネットワークビジネス(MLM)の始まり
そもそもネットワークビジネスという仕組みの始まりは訪問販売から派生したものと言われています。訪問販売の長所である1対1の対面での丁寧なカウンセリングと、短所である「訪問する」「営業マン1人あたりの限界」を改善したものとして、1対1の口コミによる販売方法(マーケティング)であるネットワークビジネスが生まれました。
ネットワークビジネスは、1934年にアメリカで創業した「カリフォルニアビタミン」という会社が、1939年にこれまでにない斬新な販売方法として取り入れたのが最初だといわれています。
余談ですが、このカリフォルニアビタミンは後に「ニュートリライト・プロダクト」に名称を変えます。この名称は、もしかしたら聞き覚えがあるかもしれませんね。と、いうのも、この企業は1972年に最も有名なMLMの企業である「アムウェイ」に買収され、その子会社となっています。実はアムウェイを創業したジェイ・ヴァンアンデル氏とリッチ・デヴォス氏の2人は、元々ニュートリライト・プロダクツでディストリビューターとして働いていたのです。
一般流通システムとの違い
昔ながらのいわゆる一般流通では、生産者(メーカー)から私たち消費者のもとに製品が届くまでに様々な流通コストがかかります。生産者から卸売業(問屋)に商品が卸され、そこからスーパーやコンビニといった小売業者に販売されることで私たち消費者が見る店頭に並ぶことになります。店頭に並んだ商品を、私たち消費者はCMなどの広告を通して商品を知り、購入することになります。
一方ネットワークビジネスでは、消費者を同時に販売員とすることで流通の規模を広げます。初期のネットワークビジネスは、生産者(メーカー)から直接購入する消費者が、会員登録することで販売代理店のような形で販売員(一般的にディストリビューターと言います。)となり、別の消費者に販売をしていきます。現代のように交通設備が整っていたり、インターネットの普及がまだなされていない時代において、メーカーが作った商品が消費者の手元に届くまでには大変な労力が必要になります。そのため、消費者が直接次の消費者に販売するという形が考えられたのです。
実はこの時に、ネットワークビジネス=人にモノを売る、というようなイメージがついたんじゃないかなと思うんですよね。
悲しいかな強引なやり方をする人もたくさんいたと思うので…
様々なビジネスプラン
ネットワークビジネスの最大の特徴は、一般の消費者自身が、個人代理店のような形でビジネス展開できるところにあります。また、自身が販売した販売手数料だけでなく、自身が紹介したディストリビューターがつくった売り上げからも、数パーセントの販売手数料が手に入ります。1人の力では届かないところまでレバレッジがかかるところに、大きな特徴があります。このようなモデルをもとに、それぞれの会社が独自の報酬プランを用意して、積極的に製品を流通させるディストリビューターを支援します。
ネットワークビジネスの報酬プランは、各会社によってさまざまですが、大きく分けると3種類に大別されます
・ブレイクアウェイ(販売型)
・バイナリー(マネーゲーム)
・ユニレベル(消費軸)
これについては、詳細は別途ブログにて記載していきます。
時代の進化による変化(インターネットの登場)
しかし、時代が進化するにつれて流通の仕組みも進化していきます。交通網が整備され、商品の輸送は格段に速くなっていきました。そして、インターネットの登場により、いまではメーカーから直接商品を購入することもたやすく、容易になっています。
それに伴い、ネットワークビジネスの商品の流通も変化していきます。商品を直接販売する必要はそもそも不要になっているので、ネットワークビジネスのビジネス会員、いわゆるディストリビューターの役割は製品を販売することではなく、「情報を正確に届ける」ということに変わってきました。なぜならば、商品自体は直接メーカー(MLM企業)から購入することになるので、ディストリビューターから直接製品を買うということは本来おこるはずがないのです。つまり、紹介者として会員になった人が、新たに直接メーカーから製品等を購入した時に、その売り上げの一部が還元されるというものなのです。
もちろん、直接小売販売をすることができるモデルもあると思いますが、正直現代のMLMのビジネスモデルにおいてはなじまない形だと思います。そういったモデルはもはや時代遅れなんじゃないかな…と、個人的には思っています。
消費者=販売者の限界
初期のネットワークビジネスでは、製品の愛用者(消費者)が同時に販売者となり、製品を販売していくような形をとっていました。
ネットワークビジネスをしている人にとっては当たり前なのですが、一般的に見れば消費者と販売者が同じという構造は理解しにくいものがあります。
また、消費者が販売者になれるというメリットが、時にデメリットになることもありました。きちんとした教育がされていないため、目先の利益のために無理やりな方法を取っていたり、いわゆるタイトルアップのための不要な買い込みなど、ネットワークビジネスが本来予定していないような流通が起こっていたことも事実としてあります。
そのため、アメリカのFTC(アメリカ連邦取引委員会)が大手ネットワークビジネスの会社に対してメスを入れ、指示したことが、業界に大きな衝撃を与えることになります。それは、「会社の売上の51%以上が組織に関わっていない小売販売(一般消費者)からの売上であること」というものでした。
ただしこれは、FTCがディストリビューターを末端の消費者ではないと独自に定めたルールに基づくものであり、最終的に裁判で確定されたものではまだありません。
しかしながら、このルールはアメリカのMLM業界を震撼させました。
日本ではまだこの51%ルール自体は存在しませんが、アメリカに右え習えのわが国ではこのルールが適用されてくるのも時間の問題でしょう。
いずれにせよ、ネットワークビジネスとはそもそもビジネスを積極的にやりたい人・ビジネスはやりたくないけど製品は欲しい人に分かれるものなので、こういった明確な線引きをするのはとても良いことだと思います。
新しい形へ
上記の51%ルールの適用を受け、ネットワークビジネスの会社も様々な動きを見せています。ディストリビューター以外にも直接購入のみができる愛用者会員の存在など、いろいろと変化をしてきているようです。
ただ、今のところまだ「ディストリビューター」という会員登録をすることが購入の条件の会社は依然多いままです。
これに対して、51%ルール以前から完全にビジネス会員と一般消費者とを分けた独自の仕組みとして、新たなビジネスモデルを以前から展開してきている会社も存在します。
今後は、こういった仕組みを持っているかも適格マルチの判断の基準になってくるのは間違いないかと思います。
ネットワークビジネスの良いところ
ネットワークビジネスの最大のメリットは、まず誰でも簡単にビジネスを始めることができるという点です。
事務所を開く必要もなければ人を雇う必要もないため、事業を始めるのであれば普通必要となる、固定費もかかりません。
本来商品を抱えて販売するわけでもないので、在庫を抱えるようなこともなく、販売ノルマもありません。また、よく言われる上だけが儲かるということもなく、頑張れば頑張った分だけ稼ぐことができる仕組みになります。
これに関しては悲しいかな、ディストリビューターのグループ自身が強制的にノルマや在庫を抱えるやり方をしているところがあります。本来の趣旨から外れたとても悲しいやり方ですので、行ってほしくないですね。。
もう一つは、レバレッジです。
自分1人の力だけではなく、ともに展開していくディストリビューターの仲間をつくっていくことにより、1人では到底できないような力を働かせることができます。
もちろん海外に派生できるようなグローバル企業であれば、日本にいながらシームレスにビジネスを展開していくことも可能です。
ネットワークビジネスの悪いところ
いいことだらけのようですが、ネットワークビジネスの最大の悪いところは、そのイメージの悪さです。いまだにねずみ講と一緒にされる、マルチ商法とテレビでわめかれる、友達なくすetc…
もちろんこれらのイメージの悪さを作ってきたのは、ほかならぬディストリビューターの方々であるということを忘れてはいけません。
簡単にビジネスを始められるということは、自分の事業に責任を持つという、個人事業主としては当たり前の覚悟が必要ないということにもつながります。もちろんそういった方々は、事業として収入を手に入れることは難しいですが…
グループのやり方がひどいところも多いというのも問題です。本当にその人のことを思ってやっているのか疑いたくなるようなグループもたくさんあります…
よく収入を取っている人にお会いする機会もあったのですが、人間的にどうだろう…という方がどちらかというと多い印象もありました。もちろんとても素晴らしい方もいらっしゃいますが、きっと紹介ビジネスしかできないんだろうな…というような方もちらほら。
そういうところがなければ、とても素晴らしいビジネスモデルだと思うのですが(苦笑)
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